買い物は生活の中心を占めるといってもよいほどの行為です。
ただし、むやみに買い物をしていたら経済的に破綻してしまいます。
そこで、なるべく少ないコスト(お金)で、より多くの利益(よりよい食材や品物)
を得たり、より満足したりすることが重要になってきます。
そのためもあって脳内には「買い物の脳内センター」
ともいうべき脳領域があることがわかっています。
この脳領域は進化的なもので、コストと利益のバランスに深くかかわっています。
買い物にかかわる脳内センターの一部は、麻薬や覚醒剤が作用する脳領域、
つまり脳内快感系です。ですから、ストレスなどが原因で買い物中毒になるケースは
麻薬中毒とほぼ同じメカニズムによるものなのです。
次から次へと買い物して、快感におぼれながらそれに慣れ、
さらに買い物をするという中毒です。中毒までひどくはありませんが、
「衝動買い」でも、この脳内快感系は働きます。
ちなみに、脳内快感系にはドーパミンという脳内ホルモンが深くかかわっています。
このドーパミンが適切に働かない「ドーパミン制御障害」という病気が
最近になって注目されていますが、買い物中毒も衝動買いも
ドーパミン制御障害の一種であるらしいことがわかってきました。
買い物にかかわる「健常ではない脳」の代表が「ドーパミン制御障害の脳」
といえます。逆にいえば、衝動買いや不適切な買い物(無駄遣いなど)が
多くなった場合、脳が健常ではなくなっているかもしれないと思ってください。
脳内ダメージやドーパミン制御障害ほど深刻ではないとしても、
ストレスによって脳の働きが鈍っている可能性が大きいです。
脳の老化が進行してもやはり健常ではなくなります。
ただし、買い物をすること自体は進化的な行為ですし、
よく買い物をする高齢者ほど長生きすることがわかっているので、
脳にとってもよいことであることは強調しておきたく思います。

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