白黒テレビで育った世代は寝ているときの夢も白黒
人は、多かれ少なかれテレビの影響を受ける。
特に子どもの頃に見たヒーローやスターに憧れたという人も少なくないはず。
そんなテレビの影響力の大きさを示しているともいえる研究結果が発表された。
白黒テレビで育った世代は寝ているときにみる夢も白黒になる傾向があるという。
夢の色に関して調査したアメリカ心理学会の報告によると、
60代の人で色つきの夢をみたことがあると回答したのはわずか
5人に1人だったという。これに対し、30歳未満の人の80パーセントが
夢には色があると回答している。
研究者らによると、このような結果になったのは子どもの頃に見た
テレビの影響が考えられるとのこと。白黒テレビを見ていた世代は
カラーテレビ導入後の世代に比べると、夢も白黒であることが多いという。
ただし、調査チームのひとりである日本人研究者は、
「夢の色に影響を及ぼすのはテレビだけとは言えません」と語っている。
調査は、1993年から2009年のあいだに日本で行われたものであり、
1300人が対象となってそれぞれ期間をあけて2回ずつ夢の色について回答している。
日本では1960年のカラーテレビ本放送開始後、1964年の東京オリンピックなどの
影響もあり、1970年代までにかけて急速にカラーテレビが普及していった。
もしも、夢の色の違いがテレビの影響のみによるものだとしたら、
カラーテレビの急速な普及と共に白黒の夢をみる世代も急激に
減少したと考えられる。
しかし、調査期間は16年間とひらきがあるにもかかわらず、
白黒の夢をみる傾向があるのは常に60代の人であることに変わりはなかった。
このことから、「テレビ以外にも夢の色に影響を与えているものがあるはずだ」
と、この研究者は考えているようだ。
なぜ60代に白黒の夢をみる人が多いのか、まだまだ研究の余地がありそうだが、
夢の色がテレビの影響を受けているというのは興味深い説ではないだろうか。
あなたの普段みる夢の色と子どもの頃に見たテレビの画面の色は
一致しているだろうか。

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